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エコカブProject

ついに、ワシが特集に登場したゾ!
次号より連載としてスタートする、末吉竹二郎氏の「CSR対談」。今回は、そのスペシャル版として巻頭特集でお届けぢゃ!本誌で人気連載だった「会社と社会。〜モテカブ流CSR入門〜」の執筆者としてもおなじみの末吉氏がホストとなり、各界で活躍する著名人や企業人と「CSR」をおもなテーマに語り合う、この連載。さて、さて、記念すべき第1回は、いったいどんな話が飛び出すことやらのぉ。

施設協力/トレイダーズホールディングス株式会社
撮影/田丸瑞穂

1946年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。西武百貨店代表取締役社長、慶應義塾大学総合政策学部特別招聘教授を経て、参議院議員等を務める。現在、株式会社インスティテュート・オブ・マーケティング・アーキテクチュア(IMA)代表取締役、株式会社リプロジェクト・パートナーズ代表取締役CEOなどを兼任。Think the Earthプロジェクトほか、多数の民間企業・団体、教育・研究機関、NPOなどの役員を務める。

文明的近代化を遂げた20世紀文化を再認識すべき21世紀

末吉:
(敬称略)

はじめにThink the Earthプロジェクトを始めた経緯を教えていただけますか。

水野:

この活動を始めて、2007年で6年目になるでしょうか。「Think the Earth」というネーミングにもコンセプトが表れていますが、地球というのはたぐいまれなる美しい星で、その上に我々は生かされ、生活できるチャンスを与えられているわけです。地球という天体の長い歴史のなかで、人類の歴史というのは知れたもの。言ってみれば、一時期、地球に環境順応して住まわせてもらっている、いち生物なんだという考え方に立ってみたときに、我々人類が地球自体を支配しているという思い込み自体おかしい、と。そういう意味でも、我々はこの地球というものをもっと大事にしなくてはいけないし、また考えないといけない。環境や資源、人口の問題など直面している地球の問題について、もっと "想い"を馳せてみよう、という非常にソフトな呼びかけをしていく活動をしたい、というのが、まず、このプロジェクトを始めた理由のひとつです。

末吉:

たしかに。私もそう思います。人間は地球に暮らす、いち生物ですからね。

水野:

それに、僕は常々、こうも思うのですよ。20世紀というのは非常に文明が発達した時代だった。現在、究極にまで発展している技術というのは、ほとんど20世紀に開発されたもので、そのおかげで産業も大きく発達したわけですが、地球資源の大半を20 世紀で消費してしまったともいえるわけです。20世紀は非常に欲張った時代で、文明的な進化を遂げる一方、資源や環境に対する、ものすごく大きな矛盾を起こしたまま21世紀に入ってしまったんですね。じゃあ、我々21世紀の人類は、一体なにをすればいいのか、と。文明崇拝や知識一辺倒のこれまでのやり方、「文明」の発展のもとに「文化」を無視するような考え方を直して、文化というものを今一度、再認識していく必要があるだろう、という視点も、プロジェクトの背景にあります。
  そして、この活動自体がそうであるように、20世紀的な発想からいくと、エコロジーとエコノミーは両立しないと言われていたわけですね。環境問題への対策なんかをやっていたら、経済活動をする企業として矛盾が起きるし、それよりももっと稼げ、と。これが20世紀。しかし、21世紀になって環境問題に鈍感な企業は、逆にいま、経済的にも非常に苦境に立たされている。CSR(企業の社会的責任)もそうですが、CSRに鈍感な企業の株は、投資家もなかなか買わない、投資しない時代になってきています。

末吉:

ええ、そうですね。CSRにどれだけ力を注いでいるかは、投資家にとって投資の大きな判断材料になってきました。

水野:

たとえば、技術開発でいっても、環境技術開発に積極的に取り組む企業は、その取り組み自体が「投資」となるわけです。ところが、しょうがないといった感じでイヤイヤ環境技術を後から導入している企業にとって、それは「コスト」にしかならない。しかし、いまの時代に積極的に環境問題に取り組むということは、大きなビジネスチャンス。そういった企業に対するCSRの啓蒙も含めて、我々が環境や地球について考えてみようという呼びかけを、個人にも企業にもできたら面白いなという想いがありましてね。それで活動をスタートしました。
  長くなりましたが、これらがこのプロジェクトの、もともとの発想です。

末吉:

いやぁ、水野さんのお考えには、大変共鳴しますね。文明と文化というお話がありましたが、現在の地球は皮肉な状況に追い込まれていますよね。この物質文明をつくりあげた一番の元凶である化石燃料のパワーによって、これだけの世界をつくったわけですが、じつはそれをつくるプロセスでCO2を大量に出し、自分たちの将来を閉ざしてしまっている。
  よく言われますが、メソポタミアは干害対策技術を身に付けたために、大量の農業生産が可能になったわけですよね。しかし、それによって塩害をもたらせてしまって、農業生産が壊滅的になったと。そういう過去の歴史を考えると、50年やそこらで、これだけの温暖化の原因をつくった人類は、まさに、その二の舞を踏もうとしている。歴史から学ぶとしたら、そこから大いなる反省をしていくことが重要じゃないでしょうか。そう考えると、おっしゃるとおり、この大宇宙のなかに、こんなすばらしい唯一のプラネットがあるわけですから、地球を考えるというのはすばらしいプロジェクトだと、僕も思います。

水野:

また、我々はNPO法人(特定非営利活動法人)ではなく、任意団体なのですが、今後、非営利の NPOは重要な役割を果たす組織だと思っているんですね。ただ、多くの方から寄付や会費を得て活動を継続していくのは、どうしても限界がある。しかし、営利を目的とはしないけれど、稼いで、それをたとえばNPO活動のための資金源にしたりね、そういったいい活動のために使うならいいじゃないかと。そこで、ちょっとユニークでNPO的な組織と、株式会社が、表裏一体のようなスタイルでやっていこうと、あくまでも任意団体として活動することにしたんです。

末吉:

なるほど。僕は20世紀後半の世界史的にもっとも大きな変化というのは、NPOやNGO(非政府組織)が出てきたことだと思うんですね。おそらく 21世紀、NPOは非常に大きな勢力になると思いますし、世界を動かしていくパワーになる。下手すると、国際的な連携・連帯を持っている組織は、政府レベルを超えるくらい強いパワーになるんじゃないかと。
  それから、NPOの経済的なあり方もおっしゃるとおり、多大な利益を求めなくても、NPOの組織がオン・ゴーイング(現在進行形)でいけるような財政的基盤をつくることは非常に重要だと僕も考えます。それに財政基盤ができているということは、じつはその組織や活動を、社会が受け入れているということでもあるんですよね。そういう意味でも、資金面でNPOやNGOは相当真剣に考えるべきだと思います。

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