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エコカブProject

人間の3つ目の顔が象徴する、「会社の正義≠社会の正義」

水野:

これまで経営者として仕事をしてきたとき、「企業活動って、なんのためにやってるの?」と絶えず自問自答してきたんです。企業だけが儲けて、栄えていけばそれでいいのか? しかし、ただ企業が大きくなるだけが目的ではないはずで、なんのために企業はあるのかというと、人類というものの生活が本当に豊かになっていくことにあるはずだ、と。じゃあ、その豊かさってなんなのか、と考えるわけですよ。そうすると、経済というエコノミーとともに、スローライフのような生き方も含めたエコロジーと、どう折り合って生きていくか、というのがすごく重要な考え方になって、つまるところ、エコノミーの究極の目的は、エコロジカルな生活を実現するためにあるんじゃないか、に帰り着くわけですよね。20世紀は経済的豊かさしか物差しがなかったわけですが、21世紀はその豊かさの概念も変えていかなくてはならない。

末吉:

エコロジーとエコノミーの語源は同じですもんね。ギリシャ語で。

水野:

そうです。同じなんです。
  末吉さんが『モテカブ』で連載されていたタイトルが「会社と社会。」ですが、じつを言うと私も「会社と社会」という言葉をよく話のなかで使わせてもらうんですよ。どういうことかと言うと、鏡に「会社」という文字を映すと「社会」と映ってしまう。これ、日本語だけなんですけどね。日本の企業の20 世紀の最大の勘違いはここに表れていて、たとえば会社人と言われるような人と話をすると、「会社の正義は社会の正義」だと思っている人が多いんです。総会屋にお金をあげてしまうのも、これは会社を守るための正義で必要悪だと思ってしまう。でも社会では、これ、犯罪なわけですよ。「会社の正義は、必ずしも社会の正義ではない」という単純なことですら、一流大学を出たエリート幹部社員も、あるいは経営者ですらもわかっていない。

末吉:

まさに、そのとおり。僕も三十数年間、サラリーマンをしてきたので、非常に身につまされるお話です。

水野:

日本の場合、親は我が子が会社に就職すると「うちの子はようやく社会人になりました」と言うじゃありませんか。それが大学を出てもアルバイトをしていたり、Think the Earthプロジェクトなんかで働いていたりすると「社会人になりました」とは、なかなか言わないわけで(笑)。

末吉:

(笑)……Think the Earthプロジェクトや志の高いNPO・NGOで働くことは、とっても立派なことなんですけどねぇ。

水野:

「会社人」になることが、イコール「社会人」という勘違いがあるんですよ。日本の会社と社会が一体である、という勘違いを正していく。つまり、会社は社会の一員でしかなくて、マーケットに責任を持つだけじゃなく、社会に責任を持てる企業にならなくてはダメだと。これ、なかなか言ってもわかってもらえないんですよね、悲しいことに。

末吉:

企業に勤めていた頃の自分をいま振り返ってみますと、毎朝、会社の玄関を入った途端、会社人間で、じゃあ、会社の門を出たら社会人に復帰していたか、といったらそんなことはなくて。ずっと会社員を引きずっていましたからね。会社を辞めてフリーの立場になって、つくづく企業のなかの「論理」というか、水野さんのおっしゃる「正義」が、いかに社会のなかのひとつでしかないのかを痛感させられました。

水野:

僕、人間には3つの顔があると思うんです。「企業人」としての顔。社員ですね。そして「消費者」としての顔。社員だけど一歩外へ出たら、自社の商品を買ってくれるお客さんにもなる。ここまでは、企業経営者もわかるんです。だけど、もうひとつの社会人としての「市民」という顔がわかっていない。会社の社員というのは、会社の損になるような事実には、目をつぶって異を唱えない、と思い込んでいる経営者が多い。ところが、社会で糾弾される企業不祥事の多くが社内からの告発ですから。

末吉:

ええ、そうですね。

水野:

自分が属している会社に不利益になるかもしれないけれど、いくら自分が属す会社であっても、いや、自分が属す会社だからこそ、社会に対しての責任をまっとうしていないのだとしたら許せない、という意識が社員のなかに芽生えているわけです。これを経営者は理解していない。
  僕は、Think the Earthプロジェクトの活動の一方で、自分の会社としてコンサルティングビジネスをしていますが、コンサルティングのシーンで「企業といっても社会の一要素であって、社会に対して恥ずかしくないよう正義を果たすことをしないと、目先の利益だけを追求するだけでは、足元をすくわれますよ」と、そうよく言うんですけどね。市場からの評価に目を奪われて、それが社会からの評価だと勘違いしてしまう。これも地球を考えるということと同じ。20世紀の勘違いを一度リセットしたほうがいいと思いますよ。
「エコロジーとエコノミーの共存」をテーマに、世界中の個人や企業が、日常生活のなかで地球について考えたり、感じたりするきっかけをつくり出していくプロジェクト。経済を回すビジネスそのものをよりよい社会の原動力にしていくため、ビジネスを通じて社会に貢献する仕組みを提供している。理事会には、ミュージシャンの坂本龍一氏やベネトングループ会長のルチアーノ・ベネトン氏も。

3つのリレーション

Business Relation ・・・ビジネスを通じた社会貢献の仕組みづくり

Social Relation ・・・次の世代を担う子どもたちに美しい地球を残すために

Public Relation ・・・地球のことを想う、きっかけづくり

4つの活動

1. 人と社会との関係を形づくり、伝えるデザイン「ソーシャル・デザイン」など新しい発想を持った商品やサービスの開発と、オンラインショップ「ソーシャル・デザイン・マーケット(http://thinktheearth-shop.com/)」などでの販売
2. CSRや環境、ソーシャル・デザインに関するセミナーや勉強会を開催し、企業とNPOの学びの場の提供
3. Webサイトやメールニュースなどでの地球に関する情報発信、エコロジーやアースデイなどのイベントへの参加
4. 環境問題や社会問題の解決に携わっている国内外のNPO・NGOを、広報や金銭面でサポート

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