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エコカブProject

CSRなどから判断して行う投資、それがSRIぢゃ!
アメリカのSRI市場は2兆ドルといわれておるが、はて、さて、日本はどうかのぉ?
SRI調査・研究やCSR支援事業を展開する、「日本のSRIの母」秋山をね氏に話を聞いた。
皆の衆の「投資の常識」が、変わるやもしれんゾ。

施設協力/トレイダーズホールディングス株式会社
撮影/田丸瑞穂

あきやま・をね/1960年2月、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、米系証券会社で外国債券のトレーダーを務める。1998年、青山学院大学大学院修了、ファイナンス修士。独立系証券会社の米国子会社に駐在し、帰国した2000年末、「SRI」という考え方に出合い共鳴。
2001年6月、インテグレックス社設立。SRIのための調査・評価、CSR取り組み支援としてコンプライアンス意識のモニタリングなどを行う。内閣府の国民生活審議会臨時委員など数多くの役職を歴任。名前の「をね」は、山が大好きな父親が「山の尾根」から命名したとのこと。

継続性のない「稼ぐが勝ち」。「HOW MUCH」のHOWを問う

末吉:
(敬称略)

秋山さんも僕と同じで金融業界出身で、現在はお互いCSRやSRIを推進されているわけですが、そもそも秋山さんがSRIに出合ったきっかけは、なんだったのでしょうか?

秋山:

2001年に私は会社をつくったのですが、じつは、その直前までSRIのことは、まったく知らなかったんです。
 それまで、いわゆるウォールストリートで、私はトレーダーを仕事にしていました。トレーダーの評価は完全に結果主義ですし、ボーナスもその利益の何割、という考え方。ある意味、どんな手段を使ってでも利益を上げて、利益を上げた者が勝者、という業界です。ですから、なかには不正をしてでも利益を上げるような人もいたりして。アメリカの会社もコンプライアンスが非常に厳しいですから、そういう人は見つかればすぐクビになるんですが、不正までいかなくても、同僚にウソの情報を流したりと、足を引っ張る人もいるわけですよ。でも、そういう人を何年かのスパンで見ていると、必ず業界からいなくなっているんですね。いづらくなるのかもしれませんが。
 そう考えると、いくら利益を上げても、利益を得るプロセスが間違っていたら、やっぱり持続性がないんだ、と。私のこの経験は、働く人を見ての話ですが、これは企業のあり方でも同じことがいえますよね。SRIという考え方にはじめて出合ったとき、私はトレーダー時代におかしいと感じていた、継続できない人のあり方と、考えは同じだと思ったんです。

末吉:

なるほど。アメリカに「SRIの母」といわれるエイミー・ドミニさんという女性がいますが、彼女も汚いビジネスをする仲間に強い憤りを感じて、SRIの世界に入っていますよね。
 彼女は証券会社に勤務していた時代、隣にいた同僚が「○×会社は、大量に破壊できる兵器を最近つくったから、これは売れますよ」と、お客さんにその株の購入を電話で勧めているのを聞いて、突然、吐き気をもよおしたと語っています。きっとドミニさんも、唐突にSRIをしなくちゃ!と目覚めたわけではなくて、おそらく秋山さんと同じように、これまで鬱積していたものが、この出来事をきっかけにして、吹き出したんだと思うんですよ。

秋山:

企業に投資する際、「その企業がどれだけ稼いでいるか」を見るのは当然重要ではあるんですけどね。
 SRIは、それだけではなく「どのように稼いでいるか」というプロセスを大事にして、社会にとっていいビジネスで利益を上げているかどうかを重視して投資する考え方。私は日本に帰国して、ある大学教授の方から、このSRIの考え方をはじめて知って、ホントに目からウロコが落ちたんですよ。自分が携わってきた投資の世界に、こんな考え方があったのか!と、それはぜひ究めたいと、もう熱に浮かされたような状態(笑)。勤めていた証券会社のなかで SRIの勉強会などを始めたんです。しかし、SRIの観点で企業調査をしようとすると、勤務先の証券会社とのつながりのある企業もありますから、中立的な調査は難しいのではないか、と。それなら独立しかないと後先考えずに独立したものですから、その後たいそう苦労しました(笑)。

末吉:

目からウロコという意味では、僕も同じですね。タイミングも秋山さんと同じで、僕も2000 年の11月に、ある会議に出席して、そこで金融と環境が密接にかかわっていることをはじめて知ったんです。金融というと「ビジネスオンリー」。儲かればいいという発想でしたが、同じ儲けるにしても、環境を考えたビジネスだってあるじゃないか、と。女性や若者が非常に多くて、350人くらい集まった会議だったかな。みんな、金融と環境を同じ舞台に乗せて真剣に議論している。当時の僕には、そりゃあ目からウロコでしたよ。そこから「HOW MUCH(いくら)」が問題ではなくて、「HOW(どのように)」が大事だということに焦点が移っていったわけです。
意味、全然わかんないんですけどぉ〜。これって「コンプラ、ナルハヤで、シクヨロ〜!」とか、略して使っちゃってくださ〜い! って感じ?
そんな業界人みたいな使い方はせんがのぉ。コンプライアンスとは、命令や要求に「従うこと」「応じること」を意味する言葉で、日本語では一般的に(異論もあるが)「法令遵守」と訳されるんぢゃ。ぢゃなかった、されるんだ! ずずずずず〜っ(お茶をすする)。
えっ、ほうれい……? つ〜か、「日本語の意味も、よくわかんない件」について〜!
ブファッ(お茶を吹き出して)。「ほうれいじゅんしゅ」ぢゃよ! カンタンにいうと「法律や会社の規則、社会的な倫理をちゃんと守ろうぜ!」ということぢゃな。
それって、人としてフツーじゃねぇ?
そうなんぢゃよ! だが、企業の不祥事はなくならんのぉ。たとえば、上司が利益を重視して「会社のためだから」と会社にウソの報告をする様子を見て、「上司がやっているから」とマネをする部下が出て、そのまた部下もマネをして……。社内のひとりが「これくらいなら」と違反したことが、組織全体に「当然のこと」として広がり、大不祥事に発展。会社のためにしたことが、結果、会社の経営悪化や死にいたる。そんなケースは多いんぢゃ。
いっこウソつくと、バレちゃマズいから、どんどんウソついちゃって、超ドツボにハマったりするんだよね。なんかわかる! 私もある、ある、そういうの!
一番信用ならないのは、案外、自分自身だったりするもんぢゃ。だから「ルールはなにがなんでも守る」というルールを全員が認識し、それを守っているかどうか、つねにチェックする体制をつくることが大切なんぢゃな。
コンプライアンスは「ナルハヤ」でやるもんでも、「シクヨロ」で済ますもんでも、ないっつ〜こと、ですよねぇ〜!

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