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エコカブProject

最近、多くの日本企業がCSR活動の一環として、地球の環境保全に貢献する活動に取り組んでおる。もはや、環境保全をないがしろにした事業活動をする企業は、企業としての存続も危うい、と言えるんぢゃないかのぉ。北海道・知床の亜寒帯から、沖縄・西表島の亜熱帯まで、これほど多様で豊かな自然を持つ国は、世界でもレアケースぢゃ!長年にわたり森の再生活動を行う小説家のC.W.ニコル氏に、この豊かな日本の森を守り育てる意義を聞いた。

撮影/笠島友

1940年7月、英国南ウェ-ルズ生まれ。17歳でカナダにわたった後、カナダ水産調査局北極生物研究所の技官として海洋哺乳類の調査研究にあたる。1967年、エチオピア帝国政府野生動物保護省の猟区主任管理官に就任。シミエン山岳国立公園を創設し、公園長を務め、1972年よりカナダ水産調査局淡水研究所の主任技官や、環境保護局の環境問題緊急対策官として、石油、化学薬品の流出事故などの処理に取り組む。1980年、長野県・黒姫に居を定め、執筆活動を続けるとともに、日本の森の再生活動に精力的に取り組み、1985年には荒れ果てた里山を購入。その里山を「アファンの森」と名付け、この森での活動・調査などをより公益的な活動へと全国展開するために、2002年、C.W.ニコル・アファンの森財団を設立。1995年には日本国籍を取得しており、「ケルト系日本人」を自称する。ウェールズ初の空手有段者でもあり、現在もトレーニングを欠かさない。

アファンの森レポート

2007年8月29日、末吉竹二郎氏はじめ取材陣一行は、長野駅から単線列車にゆられて30分、リンゴ畑を望みながらC.W.ニコル氏が暮らす「黒姫」駅に到着した。そこからさらに車で15分。セミの声がいっそう高まり、草木の香りがどんどん濃度を増すなか、一行を乗せた車は停止する。そこが、財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団が管理する「アファンの森」の入り口。森へと歩を進めると、残暑厳しい東京とは打って変わり、ひんやりと涼しい風がとおることに気づかされる。ケルト語で「風のとおる場所」という意味を持つ「アファン」の森を、ニコル氏に案内してもらいながら、その名の価値を一行は肌で知った。

ニコル:
(敬称略)

最初ね、僕がこの森を買ったときは、この見える範囲だけ。10ヘクタールくらい買ったの。ホントはここに家を建てるつもりだったんですよ。でも、不動産会社の開発の手が伸びていることを知って……。

末吉:

それで、火が付いちゃった、と。

ニコル:

そう。それで少しずつ土地を買い足していってね。僕はそんなに大きな家はほしくないし。財団になってからは、トラストで土地を増やしています。

末吉:

ここは、土が柔らかいですね。歩くと気持ちいいです。

ニコル:

これはね、伐採した木を細かくチップにしてまいているんです。そうすると、歩道も地面のダメージが少なく、植物も育ちやすいんですよ。毎年、盲学校に通う視覚障がいのある子どもたちをこの森に招く「心の森プロジェクト」というのをやっていますが、その子どもたちも、この土の感触を楽しんでくれていますよ。

末吉:

おっ! この建物は、なにやら楽しそうだな。

ニコル:

高床式のテントになっています。ここでも、子どもたちと一緒に語り部の人の話を聞いたりして楽しんでいます。

ニコル:

この川は、江戸時代から続いているんです。ごろごろ石があって、岩魚も登ってくるんですが、その途中から、ほらっ、国は段差をつくってキレイにコンクリートで三面張り(後述)にしてしまって。この先は、魚も登ってこられない。日本には魚が登ってこられない川がたくさんあるんですよ。

末吉:

環境保全の観点で言っても、いい話ではないですが、石や岩がごつごつあるほうが、水の流れも早くなったり、ゆっくりと進んだりと変化に富んで、そのほうが断然楽しいですね。

末吉:

このスペースはなんでしょう?

ニコル:

ツリークライミング。子どもたちとこの木に登るんです。障がいがある子でも、このてっぺんまで登りますよ。気持ちいいよ!

ニコル:

ブタクサはね、異常に繁殖してしまうから、伐採しているんです。

末吉:

よく、「自然は自然なのだから、人間の手を入れないのが本来の自然だ」ということを言う人がいますが……。

ニコル:

絶対違う! それは自然を知らない人、自然に足を踏み入れたことがない人が言う言葉です。原生林はもちろん手を入れる必要はないけれど、人が手をくだしてしまった自然は違います。外来種もたくさん入ってきていますし、手入れをする必要は絶対にあります。だって、僕が子どもを500人つくったら大変でしょ(笑)。なにを残すかですよ。ほら、ここ、ツルで木がしめつけられている。もうこの木は死にます。自然を守るには手当てをしなくちゃならないことを見せるために、この木は残してあるんですが。

末吉:

ツルでしめつけられても、木は自分でそれを排除できないですからね。

ニコル:

チョウチョはこの花が大好き。だから、残さなくちゃね。

末吉:

ホントだ。これは蝶の天国ですね。甘い香りがするのかな?
今日は先に言っておくが、トラストは「フラスコ」とは違うんぢゃからの!
エコかぶ様、ギャグセン低っ! んなこと、エーコが言うわけないじゃないですか。ってゆ〜か、トラストってナニ?
トラストとは日本語にすると「信託」ぢゃな。信託は、AさんがBさんに財産権を引き渡し、一定の目的に従って、Bさんが、Aさんからもらったその財産を管理するという意味で……。
エーコ、マジわかんないんですけど。
まぁ、待て! 「ナショナル・トラスト運動」といってな、自然や歴史的建造物を次世代に残していくことを目的に、市民や企業などから寄付を募って、その土地や建物を買い取ったり、所有者から寄贈や遺贈を受けることで取得し、保全や管理、公開する市民運動ぢゃ。ニコル氏は財団をとおして、トラスト活動を行っておる、そういうことぢゃ。
そんなことやったって、意味ないドロ〜!
あんた、ダレ?
オレ様か? オレ様は「ドロヌマ」という名前なんだドロ〜。よろしくドロよ〜。
ま〜た、変なヤツが登場したのぉ。で?
「で?」って……、あっ、そうドロ! そうドロ!トラスト運動なんてしたところで、結局は開発する企業のほうがマネーを持ってんだから、市民の力だけではどうしようもないドロよ。無意味ドロ〜。
ドロ? 超ウケるしぃ。あのさぁ、そのあきらめの心が、マジ問題じゃねぇ?
えっ!? ……ドッ、ドロ〜ン。
エーコ、おまえはいつもおかしな言葉を使うが、いいこと言うのぉ。
ですよねぇ〜!
たとえばぢゃ。財団法人鎌倉風致保存会は知っておるかのぉ。1960年代、神奈川県・鎌倉では、宅地造成の開発ラッシュが起きたんぢゃ。それで、作家の大佛次郎(おさらぎ・じろう)氏が発起人となって開発反対運動が起きてのぉ、市民や企業、自治体からの寄付金で山林を買収したりもしたんぢゃ。これが日本のナショナル・トラスト運動の始まりと言われておるんぢゃが、その活動によって制定されたのが「古都保存法」ぢゃ。一人一人の力が束になると、国も動かせるんぢゃゾイ!
「ですよねぇ〜!」と言ってるだけでも、「無理ドロ〜!」なんてあきらめモードでもダメってこと、ですよねぇ〜? ひとりのプチな力でも、やれることをやったからこそ、法律を変えるような鬼アツいパワーになったってことだもんね。エーコも、やっぱ、ニコルさんの財団が販売している「ツキノワグマ携帯ストラップ」買おっ! 超かわいいし。
オレ様は「フクロウ携帯ストラップ」のほうが……。あっ、いや、いや、なんでもないドロよぉ〜。

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