モテカブ

←エコカブprojectの一覧へ <前のエコカブproject 次のエコカブproject>

エコカブProject

パブリックセクターの弱体化を救うのは、民間の「事業化」による永続的活動にあり

末吉:

ところで、国民として聞きたいんですが、新しい事業分野や新しいスタイルの商品をつくるのとは違って、ベネッセさんの事業は、子どもたちの将来を形づくったり、人間形成をするための教育という、社会の関心事ですよね。パブリックな仕事です。ベネッセさんの社内での考え方と、パブリックが求める教育観みたいなものとのすり合わせは、どうされているんでしょう?

福原:

いろんな切り口があると思うのですが、まず当社の代表的な事業である「進研ゼミ」。紙媒体の教材で、家庭内の学習に寄与しています。家庭内学習というビジネスモデルのポイントは、子どもたちが飽きないように、また学習への意欲を高めるために、「赤ペン先生」という存在でバーチャルな個別指導の世界をつくり上げるというわけです。
  しかし、現在の子どもたちは、二極化が進んでいるんですね。いわゆる成績上位層と、下位層との学習意欲に関する開きが大きくなっている。それと、子どもたちの可処分時間(自分の好きなように使える自由時間)でいうと、圧倒的に『ニンテンドーDS』に負けまくりなんです(笑)。

末吉:

ほ〜っ! それは問題だ(笑)。

福原:

そういった社会的な背景を考えますと、我々は紙媒体にずっとこだわり続けるべきではなかろうと。学びの本質は自分の手を動かすべきだ、みたいな考えもありますけれど、これだけ社会が変わってきているわけですから、紙にこだわるのではなくて、こだわるべきは、学びの姿勢や学びのモチベーションをどう高めるかにある。
  だから、DSを非難するのは間違っていて、我々メディア、いわゆる媒体のほうが子どもたちのいまのスタイルに合うよう、きちんと応えていくことが大切なんじゃないかと思うんです。ですから、今度ベネッセでもDSのソフトも発売しますし、紙媒体とネットを連動した「次世代ゼミ」というものも始めます。

末吉:

なるほど。

福原:

末吉さんがおっしゃった、教育に対するパブリックな期待が、いま揺らいでいる時期でもあるんです。大学全入時代になると、大学に入ればなんとかなった、というような時代は終わるわけですよね。社内でも何度も議論していることですが、子どもの頃から人生をステップアップしていく過程のなかに、高校や大学があり、そのなかで社会人としての力を身に付けていく、といったキャリアの考え方は、家庭でも学校でもあんまり語られていないんですね。我々はその部分で、なにか提供したいという思いがありますね。
  また、ペアレンティング(親のあり方)の面では、近年、出産年齢が上がっている一方で、できちゃった結婚や、若年層の母親も増加しています。そういった層の、ある種、親になる恐れみたいな気持ちに対して、なにかできないかと雑誌をつくったり。社会の変化によって移り変わる社会の課題を早くに察知して、事業で解決していきたいと。

末吉:

それらは、昔であれば、国や自治体が担う部分ですよね。しかし、パブリックセクター(公共部門)が弱体化しているという世界的な流れもあります。そこを私的セクターである民間が、どうビジネスで救っていくか、よりいいものにしていくか。そういった社会意義がありますよね。

福原:

おっしゃるとおりです。公的サービスの補完には、必ずなにかしらの課題がありますから、そこでソリューションを提供していく。できれば事業化していくことだと。私はこの「事業化する」というのがものすごく好きなんです。たんに提供していく、という社会貢献では長続きしないと思いますから。

末吉:

そうなんですよね。だから僕は、NPOに対して批判的な部分もあるんです。もちろんすばらしい活動をしているNPOもありますし、志はいいんです。しかし、利益に代表される、やり方の効率性や経済性や永続性という視点が、「ノンプロフィット(非営利)」という言葉の後ろで消えてしまっている団体もある。逆に、プロフィット(利益)ばかり追求すると、CSRでいま求められているとおり「どうやって儲けたの?」っていう視点が、欠けているんですよね。だから、僕は適正利潤というのは、やっていることが社会で受け入れられて、効率性と経済性と永続性の証明だと思うんです。社会が求める適正利潤は、クイックマネー(短期収益)もダーティーマネーも、もちろんダメですけど。でも、「社会のために貢献する介護事業をするんだ」という物言いは、僕はあまり信用したくなくて。「ビジネスとして成り立つ介護事業のモデルをつくるんだ」と言われるほうがスッキリしますね。教育事業に関しても同じことが言えますが。

株式会社は人間以上の特典を与えられた存在。
社会に利益を与えないと存在する理由もない

福原:

介護事業で人材を採用した際、研修を行うわけですが、たとえば病院で働いてきた看護師の方などから「私、営利企業で働くのは、はじめてなんですけど……」という声が挙がるんですね。その返答として僕は言ったんですが、「利益を上げていることは、僕たちにとって誇り。お客様の満足度と我々の利益成長が一致しているのは、我々の誇りの源泉なんだ」と。たとえば、病院などのいわゆる公益法人は、利益の分配の仕方に対する考え方が違うだけで、赤字でいいなんていう組織はひとつもない。

末吉:

そうです。(大きくうなずく)

福原:

それに、赤字を出し続けていれば、設備の更新もできないですし、考え方は公益法人である病院も、我々、民間企業も同じだと。べつにノルマがあるわけではないですし。現場で一所懸命お客様に尽くしていただければいいんですよ、と話しているのですが……。
  ただ、世の中にはあるんですよね。株式会社が福祉業界に入ってくるなんて、けしからん!とか、福祉で利益を上げるのは、いかがなものか、という考え方が。

末吉:

しかし、そもそも、株式会社の存在がなぜ許されるかというと、僕の解釈でいえば「Social Licence to operate」。要するに「事業を行うために、社会が与えたライセンス」という考え方なんです。たしかに、会社法のもとで、一定の手続きをすれば、株式会社はつくれますよ。でも考えてみると、株式会社で事業を失敗しても、オーナーは株式を得る対価として出資した金額を失うだけですよね。それ以上の責任は問われません(個人で連帯保証をしていない場合)。ところが、個人事業主として事業をすると、すべて贖罪(しょくざい)をかぶることになりますよね。では、なぜ株式会社にはそんな特典があるかというと……。
  これ、CSRのセミナーで僕はよく聴講者に聞くんですが、福原さんはパスポートをいくつ持っています?

福原:

……ひとつ、ですね。

末吉:

ですよね。基本的には、日本国籍ひとつですよね。
  ところが、ベネッセグループさんもそうですけど、いろんな国籍の企業が、ひとつのグループになっていたりしますよね。なんで人間はひとつしか国籍を持たないのに、株式会社はそんなにいくつもの国籍を持てるんだろうかと。これは、明らかに特典を与えているわけですよね。じゃあ、なんで与えているかというと、会社法で決められているからではなくて、会社法を社会が受け入れているわけです。社会が特典をあげているわけですよね。それはなぜかというと、株式会社に特典を与えることによって、だれもやらなかったような事業に取り組んでもらって、それによって社会は究極的なベネフィット(利益・恩恵)を受けるから。だから人間以上の特典を株式会社に与えますよ、と。そうすると、逆に言えば、そもそも社会のためにならない株式会社は存在が許されない。社会のためにならない会社はライセンスを剥奪(はくだつ)しろ、ということですよ。

福原:

なるほど。

末吉:

ということを考えるとですよ、社会が与えたライセンスに、本来の目的どおりに、社会に貢献できない株式会社は、存在理由がない。むしろ、害だから排除する、という考え方。これ、重要な考え方です。ですから、あたかも、株式会社のオーナーやそこで働いている人のなかには、天から降ってきたような既得権を持っているようなつもりの人もいるけれど、違うんですね。これは社会が与えているんだと。そういう原点に帰ることが非常に大事だと思いますよ。
  ですから、そこから考えますと「ベネッセ」という名前が体現していますが、社会がライセンスとして与えたバックグラウンドを、ベネッセさんはよくご理解されている、ということです。

福原:

「よく生きる」だなんて、理念を社名にしちゃっているわけじゃないですか、当社は。そこが僕らにとって強制力といいますか。介護事業をするときも、ベネッセというブランド価値を傷つけると取り返しがつかないので、そこはかなりプレッシャーがあって。ベネッセスタイルケアは現在、売上高320億円で、営業利益25億円を上げているんですが、たかがそんな利益より、というと語弊がありますが、利益のためにベネッセ本体のブランドを傷つけたんじゃあ……という意識は、ものすごいあるんです。介護はリスク・アジャステッド・リターン(リスク調整後の収益性)をつねに意識すべき事業だと、非常に痛感しています。

末吉:

いや〜、でも、福武会長に福島社長、そして福原副会長の「三福トリオ」と、縁起のいいお名前の3人がトップに並ばれているじゃないですか(笑)。ぜひ、これからもすばらしい事業をしていただきたいと思いますよ。

福原:

ありがとうございます。投資家の方からも縁起のいい名前だと言われます(笑)。名前だけではなく、すべてのステークホルダー(利害関係者)に「福」をもたらすように、さらに気を引きしめて頑張らなくちゃいけないな、と。
はい、はーい! エーコ、「NPO」なんてとっくに知ってるしぃ。要は、ボランティアってことですよねぇ?
ほほ〜っ! ぢゃあ、「ボランティア」の意味は知っておるか?
えっ? えっと……、あえて聞かれると……。無料で働いたり? 奉仕したり? とか?
ふぉふぉふぉっ。日本ではそうとらえがちだのぉ。「ボランティア(volunteer)」は、本来「自発的な活動」や「志願者」という意味。「無償で奉仕する」なんていう意味の言葉ではないんぢゃ! 誤用が日本に定着してしまったということぢゃな。ただ、NPOは自発的な活動を尊重するものだから、本来のボランティアの意味でいえば「NPOはボランティア活動である」という使い方も間違ってはいないゾ。
満へぇ〜! なるほどトリビアだわ、それ。
本題のNPOぢゃが、これは「NonProfit Organization 」の略語で「非営利組織」という意味ぢゃ。それに法人格を持った団体がNPO法人(特定非営利活動法人)。法人格の有無を問わず、福祉や教育・文化、まちづくり、環境などの社会問題の解決に向けた活動をする団体のことぢゃな。
ふ〜ん。でもさ、でもさ、でもさ! 「非営利」ってことは、いくら会社組織でも、やっぱNPOはタダ働きしなきゃマズイってことじゃねぇ?
これも誤解を招きがちなんぢゃが、売り上げを上げてもOK、利益を出してもOK、給料をもらったってOKなんぢゃ。NGなのは、余剰金を法人の関係者で分配することぢゃ。配当などで利益を得ることを目的にしないということを「非営利」と呼んでおる、というわけぢゃな。紛らわしいけど、そういうことぢゃ!
へへっ! あいかわらずNPOは「Noisy Person Organization」ドロ〜。ウザったくてしょうがない存在ドロよ。はははははっ! あ〜っ、腹痛いドロね。
はぁ? ナニ、ひとりでウケてんの? 全然意味わかんないんだけど。
えっとのぉ。いま、ドロヌマが言ったのはなぁ、NPOの頭文字にひっかけてだな、「Noisy Person Organization」という「うるさい人の組織」という言葉に置き換えたギャグで……。
ええ〜い! せっかくウケたドロ様のイングリッシュジョークが、説明するほどに風化していくドロよ!
……っつ〜か、最初から、だれもウケてないしぃ。
NPOなんて「私たち、いいことしてますよ」というツラした欺瞞(ぎまん)なんだドロ。実際、タダ働きしているヤツラが多いわけだしな。たいした活動もできないくせに、国から助成金ふんだくりやがって、それなのに文句ばっかり言って、結局は活動が続けられずにやめていくドロ。末吉の兄貴が言うとおり、経済性も効率性も永続性もない、社会に必要もない公害ドロよ〜!
はぁ? ナニ言ってんの? ってか、末吉さん、そこまで言ってねぇ〜し。マジバカじゃねぇ。
「非営利」という言葉の意味をはき違えて、ずさんな管理をしていては、活動の継続ができない。だから、組織をしっかり成り立たせて質の高い活動を永続できる、経済性のある事業モデルでないといけない、と末吉氏はNPOに対して言っておるんぢゃ。それはNPOだけでなく、株式会社も個人事業も国の運営だって、同じことが言えるんぢゃないかのぉ。
そうは言ってもドロ〜、NPOはひいきされすぎドロよ〜。
NPOは「公益の増進に寄与すること」が目的ぢゃ。そうだからして、公益増進のために、助成金・補助金などの公的支援や、福祉関連などの公共事業への参画といったチャンスがあるんぢゃゾ。本来、国民全員が取り組むべき社会の問題解決に、率先して取り組んでいるのぢゃから、志高く、しっかり運営しているNPOは感謝すべき存在だとワシは思うゾ。
ちぇっ。結局、エコかぶ様が一番、「Noisy Person」ドロね〜。
おめぇ〜だよっ!!!!

このページのトップへ戻る

(c) Copyright 2009 Three A Corporation Co., Ltd. All right Reserved.

●当ウェブサイトは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。また、当ウェブサイトを参考にした投資運用結果などについては、企業情報掲載企業各社、および株式会社スリーエー・コーポレーションは一切の責任を負いません。よって、投資に関する意思決定はご自身の判断で行ってください。●当ウェブサイトの各項目は、その正確性・安全性を保証するものではありません。また変更となっている場合もありますので、ご自身で内容を確認してください。●当ウェブサイト掲載内容については万全を期しておりますが、万一、表現の 欠落・誤りがあった場合も一切の責任を負いません。※当ウェブサイトにある記事・写真の無断転載を禁じます。