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エコカブProject

企業が環境に配慮した活動をしたところで、そんなの売り上げ増にも、コスト削減にもつながらないし、ましてや株価への影響もないはず、な〜んて思っている人は、まだまだ多いんぢゃないかのぉ。ふぉふぉふぉふぉっ。
そこでぢゃ! 環境と経済を結びつける会計手法「環境会計」研究の第一人者、國部克彦氏をお招きし、環境会計の考え方から、その効果、海外事情などを語っていただいた。
「オトナ語講座」も、いつもより増量で解説ぢゃ!

施設協力/トレーダーズホールディング株式会社
撮影/魚住貴弘

こくぶ・かつひこ/ 1962年生まれ。1985年、大阪市立大学商学部卒業。1990年、大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程修了。神戸大学経営学部助教授などを経て、2001年より現職。経済産業省委託「環境管理会計国際標準化対応委員会」委員長、「マテリアルフローコスト会計開発・普及事業委員会」委員長、環境省「環境会計ガイドライン改訂委員会」委員などを歴任。主著は『環境経営・会計』(有斐閣)、『環境管理会計入門』(産業環境管理協会)、『マテリアルフローコスト会計』(日本経済新聞社)など多数。日本を代表する環境経営・会計の第一人者のひとりで、企業からの信頼も厚い。

コスト削減と環境負荷の低減は同義語だった!?

――「環境会計」という言葉を知らない読者も多いと思いますので、先に少し解説をしていただけますか?

國部:
(敬称略)

はい。環境会計は、大きくいって2つあります。日本で一番普及しているのは「環境報告書」のなかでも、一般に公開するために取り組んでいる「外部環境会計」ですね。環境保全活動のためにどれだけ投資をしたのか、CO2をどれだけ削減したのか、省エネやリサイクル活動にかかった費用はどれだけか、といったことを数字で示した情報を開示しようというものです。
  ただ、これは、あくまでも外向けに発表することを目的にした、文字どおり“外部”環境会計。本業とはべつに、環境保全活動をなにかしら行ったという成果を数字にしたものが多い。
  外部環境会計も大事ですし、環境保全活動をすることも大切ですが、企業に力を入れてほしいと、私が現在力を入れているのは、企業内部で行う「環境管理会計(内部環境会計)」です。
  なかでも、注力しているのが「マテリアルフローコスト会計」。製品の製造の原材料の投入から製品化、廃棄といった「マテリアルフロー(物質の流れ)」のなかでは、各工程でエネルギーや資源のロスが発生します。それらのコスト評価を総合的に計算・分析する手法で、現在、日本からISO化の提案を行う準備を進めています。
  製造の現場では、売れるだけつくるという発想で、売るほうばかりに目がいってしまいがちですが、製品をつくればつくるほど、原材料から製品になる過程での廃棄量もエネルギー消費量も増えるんです。そのコストを金額で評価することで、製造活動で環境にどれだけ負荷がかかっているかが把握でき、省エネや省資源化などにも活かせるというものなんです。

末吉:

投資家の視点でいうと、従来はいくら儲けて、いくら借金があって、というお金で示したものだけを企業価値としてとらえ、投資の判断材料にしてきたわけですよね。
  しかし、新しい投資判断の情報として、そういったお金だけでなく「どういった企業経営を、どういったビジネスでやっているのか」といった情報を欲しがる時代になった。投資家や社会のニーズが広がってきたわけですね。そのさいたるものが、環境への配慮。そのニーズを受けて、環境会計の必要性が増したということでしょうか。

國部:

ええ、そうですね。

末吉:

「私どもは地球に優しい企業です」と、聞こえのいい言葉で表現する企業は多いですけれど、その「優しさ」とはどういう優しさなのか、数字で教えてほしいわけですよ。そういった優しさを表す数字や情報の基準ができれば比較もできる。それを目指しているわけですよね。

國部:

はい。最終的には、環境と経済の統合が目指すところではありますが、ただ、なかなか難しいところです。

末吉:

あの、「歩留まり(ぶどまり)」ってありますよね? 製造するときに、原材料の量から期待する生産量に対して、実際につくられた生産量の比率。その歩留まり率をいかに高くするかということは、企業が日夜研究していることですよね。歩留まり率が高くなれば、コストもカットできるわけですが、その分、廃棄量なども少なくなる。そう考えると、じつはコストカットと環境負荷を抑えることは同義語なんですよね。もっといえば、省エネ化や省力化と歩留まり率の向上も同義語。環境という視点で製造現場を見たときに、どういう効率化ができるかを数字で把握できる。そう環境会計を解釈しているんですけど。

國部:

まさに、そうですね。
  たとえば、いまこの対談風景を撮影されているカメラマンさんが持っているあのカメラのメーカーであるキヤノン。ここのレンズ工場では、歩留まり率が非常に高いとずっと評価されていました。100個のレンズの原材料から99個がカメラになるから99%の歩留まり率。
  しかし、マテリアルフローコスト会計で分析したら99%ではなかったんです。この手法では個数ではなく、㎏単位で歩留まり率を計算するんですが、それでいくと、原材料100㎏のうち68㎏しか製品になっていなかったんです。32㎏は捨てていた、というデータが出たんです。

末吉:

ほ〜っ。面白いですね。

國部:

そこで、キヤノンは廃棄物を減らせるよう、レンズの削りしろを従来比80%削減する生産方式の新しいレンズを開発したんです。その結果、廃棄物が大幅に減りました。廃棄のためのエネルギーや処理費も減ったわけです。
  いままで見ていたものをもう一度、環境の視点で見る余地はある、と私たちはよく言っていますね。工場の現場で「もう絞れません」と言っているぞうきんでも、ぞうきんを持つ位置や角度を変えれば、まだまだ絞れる、イケるということなんです。

末吉:

これ以上つくらない、売らないというほうが、むしろ効率性が高まるんだという考え方が出てきてもいいですよね、21世紀は。本当に100個のレンズを売る必要があるのか、じつは80個つくるくらいでいいんじゃないか、という考え方だってあり。

國部:

そのとおりだと思います。
ケッ!
っつ〜か、どんだけ〜! アンタ、貪欲にウザいし。文句言うなら、出てこなきゃいいじゃん!
でも、そんなの関係ない! そんなの関係ない! ドロ!
今年の流行語はそれくらいにして、「環境報告書」の説明をしていいかのぉ?
あっ、ごめんなさい。頭丸めて謝罪します、ドロヌマ親子が。
……おっほん! 環境報告書とはな、民間企業や公的機関などの事業者が、環境保全に関する経営責任者の意見や方針、目標、計画、環境マネジメントや環境負荷の低減に向けた実際の取り組みなどをまとめて、一般に公開した情報のことぢゃ。國部先生も話しておるが、上場企業などはこれを公に出さなきゃいけないと法律で決まっておるんぢゃゾ。
出さなくても、罰則はないドロ。故に、作成しなくてもOKドロ。故に、つくるほうがバカドロよ。
(ドロヌマを無視して)「CSRレポート」ってのは、環境報告書とは違うの?
環境省のガイドラインとしては、事業活動に伴う環境負荷や環境配慮への取り組み状況を総合的・体系的に取りまとめた内容が含まれておれば「CSRレポート(報告書)」でも「サステナビリティ(持続可能性)レポート」というような名称であっても構わんと言っておるのぉ。
へぇ〜。
それに、CSRやサステナビリティの活動テーマは、環境だけにとどまらず、もっと広範囲にわたるはずぢゃ。ぢゃから、環境報告書とはべつに「CSRレポート」として、自社で考えるCSRの方針や活動を冊子やWebにまとめて情報開示する企業もあるんぢゃ。
出したって、意味ない、意味ない。投資になんか、もっと意味ないドロね〜。
そんなことなくねぇ。だって、食品偽装も今年の流行だけど、記者会見で頭下げてる会社って、上場してたら、がっつり株価下がるわけだし、商品もだれも買わなくなるわけじゃん。っつーことはさぁ、CSRを考えてない企業の将来性ってマジ大丈夫?みたいなことじゃね?
そのとおりぢゃ。それに、言葉にすれば、だれかが「もっとこうしたらいいんぢゃないか?」「いや、こんな方法もあるゾ」と議論にもなって、ブラッシュアップされていく。それもよさぢゃないかのぉ。案外、ドロヌマみたいな辛辣な意見が大事だったりするんぢゃゾ。
えっ!? オレ? そうドロかぁ〜。エヘヘッ。
な〜に、照れてんだよっ! 「ツンデレ」かよっ!

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