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今回の対談は、今年の夏、「農業政策」をテーマに行われた「第10 回GEIL 学生のための政策立案コンテスト 2008」の最優秀チームメンバーである小澤さん(上の写真、右)とGEIL 副代表である鈴江さん(上の写真、左)というお2人の学生に来ていた だきました。農業、環境、政治、日本の未来と地球のこれから。そこから見えてきた若者へのメッセージとは。

 

食糧問題と農業政策日本の将来はどうなる?

――今年度の「GAIL学生のための政 策立案コンテスト」で最優秀賞に選ば れた政策案を簡単に説明してください。

小沢:

(敬称略)

日本の米農家 を立て直すために強制的な生産調整を 行うことを立案しました。現在、日本 の水田は260万ヘクタールですが、実 際は170万ヘクタールで十分という結 論になり、残りの90万ヘクタールにか かる補助金をすべて170万ヘクタール にまわそうと考えました。ただ、実際 に農業をしている多くの方たちの生活 はどうなるのか、地方が衰退してしま うのでは、という葛藤も常にあったこ とは事実です。

末吉:

日本の農業への補助金をカット する立場で政策立案をしなさい、補助 金は維持しつつも日本の農業が生き残 る方向で議論しなさい、というのであ ればこれでいいと思うんですね。でも 僕は、今までのものの考え方をひっく り返さないと問題を解決できないので はないかと思っているんですよ。単純 に90万ヘクタールつぶすというのは、 僕の立場から言わせれば、非常に愚策 です。日本には1億3000万人がいるの に、カロリーベースで6割を輸入して いるでしょ。その中で、統計によると、 4千数百万人分の食事にあたるものが 捨てられている。つまり、3食に1食は 捨てていることになるんです。
だから、自分たちの今の食事のあり 方はこれでいいのか?というところを 原点として考えてほしいんですね。日 本の経済の近代化とか、商業がもたら した消費生活が本当にサステナブルな んだろうか? そういう発想の転換を 求めていってほしいです。

小沢:

私たちも、捨てたり食べ残した りするのはもったいないよねというと ころから検討を始めたんです。でも、 議論が完全に混線してしまって……。

末吉:

視野を広く持たないとね。日本 人は視野狭窄症だから。世界は今、グ リーンコンサンプションレボリューシ ョン(緑の消費革命)を起こそうと言 っているんです。消費者のものの発想、 消費スタイルを根本から変えようとい う話をしているんですよ。それで成り 立つ経済にしていかなければいけない。
食糧問題にしても、世界が同じ食事 をすれば全員が食べていけるんですよ。 賢明な想像力を働かせれば、地球上の 隠れたところで何が起きているのか、 それは許されることなのか、 自分た ちの明日はどうなるのかという発想が できるんです。この出発点を誤ると、 完全に間違った政策になってしまうか らね。

大人たちが若者の未来を奪っている

小沢:

視野が狭くなってしまうのはなぜでしょうか?

末吉:

まず、大人が悪いよね。今の日 本があるのは、途上国や虐げられてい る人がずっと我慢を続けてきたからで、 明らかな不公平の上に現在の繁栄があ る。国連を中心に途上国の貧困問題が 提起されている中で、今の問題を日本 の中だけで考えていていいのでしょう か。ここに今の大人たちの政策の大き な失敗があると思います。それが間違 いなく、若い人にこれからツケとして 出てくるんです。その最大は温暖化で しょうね。だからこそ、若い人にはも っともっと考えてほしいんだよね。
我々の食卓に並ぶものだって、国産 品をもっと食べましょうという動きが どうして出てこないのか? 水だって、 どうしてペットボトルで飲んでいるの か? わざわざ輸入して、ガソリンよ り高いお金払ってですよ。ロンドンで は、オフィスに行って出てくるのは水 道水。ペットボトルで飲むのをやめて しまったんだ。世界が動き始めている んだよ。だから、日本の若者は何を考 えているんだろうかという話です。あ まりにも海外のことを知らなさすぎる。 目に見えないものは、見えないと思い こんでいる。

頭の中が変われば世の中が変わる

末吉:

僕はいつも言っているんです。 自分は何のために生きていて、どうい う価値が重要だと思うのか、それをも う一度見直すことが温暖化問題を考え ることなんですと。スーパーに行けば 不揃いの野菜が山積みになっていて、 それを必要な分だけ買うようにして無 駄をなくす。そこから栄養をとって生 きていくことに、もっと別の人生の喜 びや価値がある、と考えるのが温暖化 問題だと思う。だから、価値観を変え なきゃいけないんですよ。

小沢:

その中で、政府が果たす役割と は何でしょうか?

末吉:

日本の政治や役所は役割を果た していない。温暖化対策でいうなら、 ヨーロッパは2012年まですでに決まっ ていて、2013年から2020年についても 方針を打ち出している。さらに2021年 以降についてもはっきりとした方向性 を出して、法律や規定にしていこうと しているんです。ヨーロッパの企業は、 温暖化の時代にどんなビジネスを展開 して、どう投資していくかというジャ ッジメントができるけど、日本は、世 界がそういう動きをしているから…… くらいにしか考えてないんだろうね。

鈴江:

だからこそ長期的にものをみて、 若者が考えていく必要があるんですね。

末吉:

そうですよ。アメリカの大統領 選挙にオバマ氏を当選させたのは若者 であり、ヒスパニックであり、黒人で あるといわれている。今まで選挙に参 加していなかった勢力が“CHANGE” を求めて彼を選んだ。僕がうらやまし いと思ったのは、オバマ氏が当選した 時の若者のあの熱狂ぶり。日本だって、 若い人が全員選挙に行ったら、世の中 変わるんですよ。とにかく選挙に行け と言いたいね。

鈴江:

私はつい先日二十歳になったの ですが、選挙には絶対に行くと決めて います。

末吉:

僕は時々、「全国の大学に呼び かけて、一度みんなで国会議事堂を取 り囲んだらどう?」と若い人にけしか けるんだけど、そういう意思表示の仕 方で、自分たちの未来を取り戻すため に、厳しい温暖化対策を求めてみるこ ともできる。いちばん重要なのは頭の 中の切り替えだと思いますよ。頭の中 が変われば世の中が変わってくる。多 少時間がかかるかもしれないけれど、 いったん変わってしまえば風景や見る 目が違ってくると思います。

 

 

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