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今月の特集

日本で最大のベンチャー市場

 ジャスダック証券取引所はベンチャー企業が多数上場する“新興市場”のなかでも、最大の存在。新興市場というからには、なんとなく新しいイメージだが、その歴史は意外に長いのだ。「戦後、証券取引所が再開され多くの銘柄が上場していましたが、その後も上場株以外の株式の店頭売買が活発に行われていたため、証券業協会により1949年6月に“店頭売買承認銘柄制度”が創設されたのがそもそもの始まり。ジャスダックはこの店頭公開市場を引き継いでいたことから、長らく“店頭市場”と呼ばれていたんです」と言うのは、同取引所の企画部広報担当課長である森元氏。
 じつは現在のソニーやホンダといった、これまで日本の成長を支えてきた企業たちも、この店頭市場から巣立った会社。その後も外食産業やソフトウエアなど新たなサービス業種が成長基盤を築くステージになったし、1990年代にはIT産業を生み出す登竜門にもなった。たとえば、ソフトバンク、ヤフーなどの企業も同市場で頭角を現してきたのだ
このように、ベンチャースピリットにあふれる優良企業を生み出し続けてきたこと。それがジャスダック証券取引所の最大のアピールポイントだ。
 その後、この店頭市場は、ずっと「取引所を補完する市場」という位置付けで運営されてきた。ところが、市場として成長をとげ、東証2部を凌駕するまで拡大。そこで同市場の存在意義が再検討され、補完市場から並列市場、そして証券取引所へ生まれ変わることとなった。
 「せっかくJASDAQで成長した企業が、東証1部、2部に鞍替えするケースも多かったんです。ですから、今後は、やはり優良なベンチャースピリットを持つ企業が、そのままJASDAQで成長していってほしい。そんな思いもあり、2004年12月13日に証券取引所としての市場業務を開始したのです」
 この日本国内で約半世紀ぶりとなる証券取引所の新設は、つねにベンチャー企業の登竜門でありたいという、ジャスダックの決意表明だったともいえそうだ。
企画部広報担当課長
森元憲介氏(もりもと けんすけ)

新興市場の大競争時代がスタート

 ところで、新興市場といえばJASDAQのほかに、マザーズ(東証)やヘラクレス(大証)、セントレックス(名証)、アンビシャス(札証)、Q-Board(福証)などを思い浮かべる人も多いだろう。じつは、これらが誕生するきっかけになったのが、1999年のナスダック・ジャパン(現・ヘラクレス)の誕生だ。これを機に国内で新興市場間の競争がスタート。これらの新興市場は非常に活況で、2年前(2005年)までは大変なパフォーマンスを見せていた。
 しかし、競争の激化によって企業の上場誘致合戦が勃発。何社上場させるかが競われるようになり、それが上場基準引き下げにつながったという声もある。さらに、ライブドア事件や会計監査の問題などが続出。新興市場への不信感が高まってしまった。その結果、新興市場では、最近1年以上にわたって株価が下がり続け、現在の市場の不振につながっている(ただし、じつは新興市場の平均株価は、最近の値下がり分を割り引いても、過去5年間で2割ほどアップしている)。
 「JASDAQ では、取引所も上場企業も、もう一度信頼を取り戻すために、本質的な問題点の再点検などを行っています。CSR(企業の社会的責任)に関するセミナーを上場企業向けに開催するなど、さまざまな取り組みも実施してきました。ですから、今後は、会社側の質も上がるにつれて投資家のマインドも回復し、企業の成長がきちんと評価されるタイミングが来るはず」
 また、そうした状況のなか、「新興市場が本来どうあるべきなのか」を考え直そうという動きがジャスダック証券取引所内でも起こり、昨年(2006年)の暮れから新たな市場創設の構想が持ち上がった。それが新市場「NEO」だ。

JASDAQ は旧・店頭市場

店頭売買承認銘柄制度としてスタートしたJASDAQぢゃが、1961年には東証、大証、名証にそれぞれ2部市場が開設。それを機に店頭市場の会社が2部に包摂されるという出来事もあったんぢゃ。しかし、その後も第二のソニーやホンダを生み出していけるような市場が必要だという声が根強かった。そこで、 1963年に店頭登録制度がスタート。1983年には公募増資も容認されるなど、取引所上場会社と同等なエクイティファイナンス(株式を発行して資金調達すること)の仕組みも整ったんぢゃ。証券取引所ではなく証券会社の「店頭」で取引されるから店頭市場として継続してきたというわけなんぢゃ。

取引所のメリットは?

店頭市場から取引所になると、なにが違うのか。店頭市場時代には、投資家は指値での取引しかできなかったが、取引所になってからは成行注文が可能になったのぢゃ。そのおかげで投資の幅が広がり、これまでより多くの投資家がJASDAQに集まるようになってきたのぢゃ。また、信用取引による売り残、買い残、反対売買も伴うので、市場の厚みが出た。さらに、JASDAQに上場する企業にとっては、信用度やステイタスも大きく高まるから、銀行などから資金調達する場合などにもメリットが生まれてくるのぢゃ。

ちなみに、売買の注文を出すとき、値段を指定して注文するのが「指値」。値段にこだわらず、売買の成立を優先させる注文の仕方が「成行注文」ぢゃ。
またまたちなみに、投資家(客)が証券会社に委託保証金などを担保として預け、証券会社から株券やお金を借りて、株式の売り買いをする取引が「信用取引」ぢゃ。ところで、ある銘柄が信用取引で“何株買われたか” “何株売られたか”という数字は、証券会社ごとにまとめられて集計されるんぢゃ。ここで、ある銘柄の信用取引の“売り”と“買い”で決済されていない取引残高も集計されるんぢゃが、これが、「売り残」「買い残」ぢゃな。また、信用取引などにおいては、買っていた銘柄を売らなくてはならない期日、あるいは売っていた銘柄を買わなくてはならない期日が決まっておる。故に、その期日までに、これらの銘柄は反対の売買を行わなくてはならないのぢゃが、これが「反対売買」ぢゃな。

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