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今月の特集

システムは証券取引所の生命線。積極投資で万全のリスクヘッジ

 IT化の進展に伴いインターネット取引人口の急増や注文の小口化、高速化が広がるなか、証券取引所にとっては、こうした注文を安定的にかつ高速で処理できる売買システムの構築は大きなテーマだ。
「証券取引所は現在、ある意味では装置産業ともいえますね。システムの良し悪しが、経営戦略、商品戦略のすべてに密接に結びついているわけです。大証では、基幹インフラとしては、国内では最高レベルのシステムを昨年2月から稼働させています。このシステムは国内の証券取引所では初といえる分散系システムで、容量アップや商品・機能追加が行いやすいことがポイントです。証券取引所のシステムは、銀行などのものと違って、需要予測がすごく難しい。ピークの予想がつかないわけです。これはシステムを構築するという観点では、とても頭の痛い問題なんですね。いつどのくらいのピークが訪れるのか、瞬間風速のピークがいつなのか、だれにもわからない(笑)。近々のピークはサブプライムローンの影響で今年の8月16・17日にやってきましたが、例年はお盆休みであまり取引の多くない時期ですから(笑)。それくらい予測ができないものなんです。新しいシステムを導入しましたが、これからもそれをよりよく維持、拡張していかなければならない。中期経営計画ではシステムの能力増強や構築に3年間で約120億円を投資する予定でいるほどですから」

証券取引所として初の上場。グローバルな競争に挑む

 大証は日本で唯一、上場している証券取引所である。それは、より合理的で効率的な経営を推進していくという側面もあるが、自らが上場することで、上場会社の気持ちを理解することができるという側面も持っている。ヘラクレスという市場は、ベンチャースピリットを大切にしている新興市場だ。大証がヘラクレスに上場しているということは、そこに自ら身を置くことで、ほかの上場企業と同じ視線で市場を開拓していこうという表れにほかならない。
  また、ヘラクレスに限らず、大証の1部・2部市場にもいえることだが、東証・大証の重複上場の場合、東証よりも大証での売買高が多い企業が約 60社もあるということも、大証の独自性を示しているといえるだろう。近年では、任天堂、日本電産、オムロン、ローム、村田製作所といった企業が、それに当たる。こうしたことも、つねにベンチャースピリットを大切にし、現場感覚を忘れずに市場に挑戦し続ける大証の姿勢の表れではないだろうか。
大証の正門には、正面を見据えるひとりの紳士の銅像が立っておる。この方こそが、五代友厚公ぢゃ。えっ、五代友厚公といっても、知らないぢゃと? フムフム、それではここで説明しておこうかの。 五代友厚公は、1835(天保6)年、薩摩国に出生し、薩摩藩に出仕した人物ぢゃ。ワシも直接は会ったことがないんぢゃが、友厚公は、その才覚により早くから頭角を現し、欧州視察に派遣されるなど、海外事情に明るかったというから、たいした見識ぢゃのぉ。 明治維新後は大阪で官職に就き、大阪造幣寮(現・造幣局)などの設立に尽力。その後、民間に転じ、紡績業、鉱業、鉄道業などを幅広く手がけ、事業を大きく発展させたんぢゃ。 こうした起業家としての側面を持つ一方、いわゆる「大阪会議(※)」を主宰するなど、草創期の明治政府にも大きな影響を与えていたというから、たいしたお方だったのぢゃ。 さらに、「堂島米会所」を復興するとともに、株式取引所条例の成立を受けて、自ら大阪証券取引所の前身である大阪株式取引所の発起人となり、その設立に尽力するなど、大阪の経済的基盤の構築にも熱心に取り組んだのぢゃ。 その後も、大阪商法会議所(現・大阪商工会議所)を設立し、初代会頭に就任するなど、商都大阪の発展に貢献し、我が国の経済界における大阪の地位を大きく向上させたものと高く評価されておるのぢゃ。大阪経済の礎となった人だからこそ、証券取引所のシンボルとして銅像になっておるんぢゃのぉ。※ちなみに、大阪会議とは、1875(明治8)年に明治政府の要人である大久保利通、木戸孝允、板垣退助らが大阪府に集まり、今後の政府の方針(立憲政治の樹立)や参議就任などの案件について協議した会議のことぢゃ。 証券取引所の英語名は、一般的には「StockExchange」であることは、ご存じかの? しかし大阪証券取引所の場合は、「Securities Exchange」と表記しておる。株式を表す「Stock」に対して「Securities」とは、より幅広い金融商品を表しておるのぢゃ。デリバティブ市場のパイオニアとして、我が国のマーケットをつねにリードしてきたという自負と自信が、この英文表記に込められているのぢゃのぉ。
 
じつは、大証は、だれでも見学ができるということを知っておるかの? 見学方法には「団体見学(10 〜40 名)」と「一般見学」があり、「一般見学」なら月〜金曜日(平日のみ)の10:00 〜 17:30の間ぢゃったら、自由に見学することができるゾ! あっ、そうそう。自由といっても、4階で受付(氏名等記載)は必要ぢゃからな。 ちなみに「団体見学」は事前予約が必要ぢゃ。
ところで去る某月某日。ある証券会社の新人研修で大証の「団体見学」が行われるというので、その様子をのぞいてみたゾ!(ウホホ、若くてキレイな女性ばかりぢゃ!)
見学は1階のアトリウム(吹き抜け)からスタート。この日の説明役は、市場企画本部広報担当の森さんぢゃ(中央で説明するメガネの男性)。ここでは、株式投資の基本事項から、以前この場所にあった立会場でのエピソードなどを、身振り手振りで森さんが説明してくれたゾ。   次に、いったん正面玄関の外に出て、大阪経済についての説明ぢゃ。近代大阪の経済発展に大きな役割を担った五代友厚公の話もしてくれて勉強になるゾ。   再び1階のアトリウムでちょっと説明があり、その後、大証直通エレベーター(2基)で5階へ。写真は通称「大証マレット」と呼ばれておる場所ぢゃ。ここで職員の方たちが、証券取引の監視などを行っておるそうぢゃ。ちなみに「マレット(mallet)」とは木槌のことで、大証のロゴマークである「打ち出の小槌」を意味しておるんぢゃ。
 
大証マレットから、天井がガラス張りの廊下(透明なのは、「天井が見えない」=「天井知らず」という縁起を担いでのことらしいゾ!)と、階段を経て4階へ。4階では記者クラブの説明を聞いてから、記者会見場にて座学。スライドなども使い、他市場との違いなど、大証のことをいろいろ教えてくれたゾ。   ここには展示コーナーもあるんぢゃ!
  森さんの説明はわかりやすいうえに面白く、1時間〜1時間半の見学ぢゃったが、見学者のみんなは、いろいろ大証のことを知ることができたと喜んでおったゾ!
見学について、くわしくは大証のWebサイト(http://www.ose.or.jp/ind_ippan.html)で確認すべし!

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