| 石川: |
日本は2003年から回復基調でしたが、その企業の利益を押し上げてきたエンジンというか、要因がだいたい一巡しちゃったんです。最初はリストラで、その後不良資産の売却、さらにその後、中国をはじめとした海外の需要が出てきて……、日本は中国に足を向けて寝られないと思いますよ(笑)。朝鮮動乱以来の特需で回復してきた。それらが、ここにきて、皆一服してきた。しかも、2007年は世界的に転機に入って、難しい局面を迎えました。それが株価の乱高下や、日本の株価が出遅れた背景にあると思いますね。 |



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| 三原: |
私はね、これは投資家にも相当問題があると思っています。はっきり言えば、株のことがよくわかっていないんじゃないか。株や金融がらみは、すべてマネーゲームだと思っているんじゃないかってね。したがって、根拠なく楽観したり悲観したりして売り買いしているのが日本人の特徴ですよ。自分で考えず、付和雷同して動いているんです。サブプライムなどという不安のとき頼りになるのは、じつはキャッシュ。だからキャッシュ化のために世界のあちこちで日本株が売られたわけです。こうした動きを日本の投資家がしっかり理解していれば、売らねばならない売りが出たときは絶対にチャンスだと思うはず。でも、付和雷同で売っちゃうのが問題なんです。 |
| 石川: |
よく言われるんですけれども、要するに、東京マーケットに投資している約65%が外国人投資家。その彼らは「円」で見るわけじゃなく、「ドル」や「ユーロ」で見るわけです。そうすると、どこを基点として比較するかにもよりますが、日本のマーケットが必ずしもニューヨークより下落率が大きいということじゃない。日米間の下落率格差には、円相場の変動も影響しています。 |
| 中井: |
その外国人投資家が、日本をどう見ているか。小泉さんの構造改革で自民党が選挙も勝って、「これは、日本は変わるんじゃないか」と外国人が評価したから、日本株のウェイトが上がっていった。ところが、その後は変わるのかと思ったら、「なにも変わらないんじゃないか」「日本は構造改革に対して、あきらめちゃったんじゃないの」という判断で、外国人の日本株をオーバーウェイトにしているという比率が21%まで下がった。彼らは、もっとうまい投資先がほかにあるんじゃないかと考えてしまったわけです。 |
| 石川: |
外国人だけじゃなくて、日本人でさえ「日本はどうなってんだ」と思っていますよ(笑)。もうひとつ大事なことは、「日本の株は、なんで安いか」。つまり、株式市場というのは、企業の利益成長を追うマーケットなんですが、日本の企業の利益ってどうでしょう。明らかに、増益率がどんどん鈍化しているじゃないですか。近々、企業収益見通しが発表になると思います。これは2009年3月期、2010年3月期と2年余の先まで予想するわけですが、まともにいったら、この流動的な状況下でそんな先まで怖くて出せませんよ。世界経済や原油価格など、いまの時点では不透明な課題が非常に多い。2003年3月期の70%台の大幅増益からどんどん落ちてきて、2008年3月期も6%とか7%とか言っています。税引き後利益も同様。このような現状で、いつまで東京マーケットだけを見ているんですかと私は言いたい。 |
| 三原: |
僕が衝撃的な話だと思ったのは、いま、東証が外国企業に「日本で株式公開しませんか」と誘ってみたら、「なんであんなローカル市場に公開しなきゃならないのか」と言われたというんです。 |
| 石川: |
一般の投資家は毎日のように新聞を読んでいて、「なにかおかしいな」と思っているんじゃないでしょうか。日経新聞などでは、景気が悪くなると統計で説明している。雇用もおかしくなってきた。所得も増えない……。でも片方では、海外にどんどん投資を増やすとか、工場を増やすとか、マクロの話と違って威勢のよい企業が数多く報道されている。そして、元気な企業というのに目を向けてみると、その大部分はグローバル、つまり世界的に行動している会社。要するに企業も「脱・日本」なんです。彼らの商売からすると、日本のマーケットはワン・オブ・ゼムになっているんです。 |
| 三原: |
ここで言わせてもらえば、日本経済の今後を占っても仕方がないということですね。500兆円そこそこのGDP(国内総生産)が何年続いていますか。7年くらい続いているでしょう。2008年の日本経済は±1〜2%で、それでも名目はマイナスみたいなところでウロウロしているだけですよ。 |
| 石川: |
そうですね、2%いくかいかないかの話でやっているわけですよ。ヨーロッパなども数字が上がってきているのに、この低成長は厳しいですよ。 |