モテカブ

←特集の一覧へ <前の特集  次の特集>

今月の特集

経済のグローバル化と日本のポジションは?

2007年は、アジアのなかで日本の地位が相対的に低くなってきた1年でもありますね。

三原: 1990年には日本株の時価総額は世界の約4割を占めていましたが、いまは約8%にすぎない。これは国力が落ちてきた証拠です。GDPは5兆ドルで、まだ10数%あります。でも、世界中でマネーの運用をする人はなにを考えるか。まず、そのGDPに応じて資金をアロケート(確保・割り当て)します。次に時価総額でアロケートする。つまり、日本の地位はこれからさらに落ちていくということです。
中井: そのとおりだと思います。マネーがこうやって世界をぐるぐるぐるぐる回っているから、いろんな揺り戻しのようなこともあるし、サブプライムの問題のように、一見まったく関係ないものが日本に影響してくることもある。ところが日本の市場というのは、東証を含め、M&Aの動きなんかに関しても、世界的に見ればかなり閉鎖的なんですね。ですから、マーケット全体がグローバル化する必要がある。いまPERが16倍に落ちちゃったというのは、アメリカ並みに落ちちゃったということなんですよ。
石川: 日本が昭和30〜40年代に海外から脚光を浴びたのと同じような状況が、いまは新興国市場にあるということです。当時の日本以上に力がある。そういう面では、そっちのほうに目を向ける視点も必要じゃないかと言いた
いですね。
三原: 僕はよく、いまという時代を「大変な時代」だと言っているんですが、みんな、「いまこそ大きく変わらないでどうするんだ」と思うんです。昔は日本市場しか使えなかったけれど、いまは世界中どこにでも行けるわけですよ。フラット化した世界のなかで、人・物・金に対する感覚や扱い方が日本は遅れています。このことは、大いに反省が必要だと思いますね。
中井: 結局、個人投資家もグローバル人になって、いろんな物事の判断というのをグローバルに考えなければならない時代になったということです。世界のなかで、いいところもあれば悪いところもあるというふうに、グローバルな投資を考えないと。本来なら、円が高くなるはずがないのに、円が高くなっちゃったりする。これは、アメリカで信用不安もあるからドル安で円高になると思うんですが、そのうち妥当なところまでは戻ると思うんですよ
ね。だから、そういったときには海外への投資を考えてもいいと思いますね。
石川:  いや、ホントに「グローバル」っていうのがキーワードで、これが投資家からすれば一番のポイントですよ。




新興国の成長はいつまで続く?

中国をはじめ、新興国がこれほど力を付けてきたのにも驚かされました。

石川: 2007年の夏までは、新興国の実力は正当に評価されていませんでした。というのも、アメリカが揺らいだらダメだと思われていたんです。しかし、最近はBRICsの経常収支が黒字です。アジア通貨危機のときは赤字だったが、現在は4400億ドルの黒字。GDPに対する比率はBRICs全体で約6%。日本は4%で多いといわれているが、これを上回っている。中国やロシアは9%に達している。外貨準備高は中国が1兆4000億ドルで、日本より5000億
ドル多いんです。外貨準備のGDPに対する比率とか、経常収支のGDPに対する比率から見ても、ものすごく抱えています。こういうものを見たら、「アメリカがこけたら新興国もダメになる」なんてことは考えられません。
中井: 中国も、相当バブルのようなことが言われて、10月(2007年)の共産党大会で政策転換のような動きも出てきましたが……。
石川: 2008年8月の北京オリンピックが終わったら反動があるという話もあります。だけど、中国の国内事情からいったら、成長率を落とすわけにいかない。国内でもって、いろんな、やらなくちゃいけないものがたくさんある。北京オリンピックの5倍くらいのプロジェクトがこれからあり、しかもお金も持ってます。東京オリンピックの時代の日本の場合には、国際収支がつねに景気の天井を押さえていたんですよ。景気がよくなると輸入を増やして、経常赤字になっちゃう。経常赤字になっちゃうと引き締める、といった具合に。でも中国には、そういう壁がないんですよ。いま、景気過熱を心配して金融を引き締めていますが、それでも年10%見当の成長は続いている。アジアはずいぶん潤っています。そういう面から言うと、なんでもかんでもアメリカの影響を受けるという考え方は、かなり緩めることができると思うんです。
中井: いままでは、たしかにアメリカ発のグローバリズムが新興国市場を中心に、世界をけん引してきたと思います。しかし、このグローバリズムによって、中国でもロシアでも格差の問題が出てきています。富める人は富んで、儲かっている企業は儲かっているのに、儲からないところはまったく儲からないといった現象が出てきたのです。そして同時に、これに対する疑問みたいなものも出始めたんです。たとえば、フランスのサルコジ大統領は、「グローバリズムで働けば、もっといい給料がもらえるよ」と言っていたんですが、結果、暴動が起きている。もっとも格差が小さかったはずの日本でも、自民党が選挙で負けてしまいましたよね。
石川: たしかに中国でも、都市と農村との所得格差が増えて、その是正が共産党の悩みとなっていますが、そのために使うお金があります。日本の外貨9000億ドルは大半がアメリカの国債なので、思いどおりには使えないのに対
し、中国は使えるからです。また、産油国は、1バレル30ドルが、いま90ドル台になると、この増加分だけで、産油国全体で約2兆ドル増えます。これは日本のGDPの2分の1、中国の4分の3近くに相当するほどの金額です。また、OPECだけでも約5000億ドル増えます。サウジもいまは大幅黒字で、お金が余っている。アメリカに依存しなくても必要なお金があるのです。
三原: 1997年のアジア通貨危機は、東南アジアは貧しくて外資が出ていってしまったから不況になった。しかし、それから10年経って、逆にいまではアジアにしか、もうお金はないんです。外貨の大部分は中国やロシアが持っているわけです。様変わりしました。中国や東南アジアも、以前はまともな市場がなく、1997年の中国の時価総額は、言葉は悪いですが、世界から見たらゴミ同然だったんです。それが、いまや日本を追い越そうという勢い。時間をかければ、最初は大したお金でなくても、大きく増えるということです。


このページのトップへ戻る

(c) Copyright 2009 Three A Corporation Co., Ltd. All right Reserved.

●当ウェブサイトは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。また、当ウェブサイトを参考にした投資運用結果などについては、企業情報掲載企業各社、および株式会社スリーエー・コーポレーションは一切の責任を負いません。よって、投資に関する意思決定はご自身の判断で行ってください。●当ウェブサイトの各項目は、その正確性・安全性を保証するものではありません。また変更となっている場合もありますので、ご自身で内容を確認してください。●当ウェブサイト掲載内容については万全を期しておりますが、万一、表現の 欠落・誤りがあった場合も一切の責任を負いません。※当ウェブサイトにある記事・写真の無断転載を禁じます。