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今月の特集

私のような初心者は、『株式市場新聞』のどこから読んだらいいのですか?

和田: 新聞ですから1面の注目銘柄から見ていただきたいところですが、初心者の方でしたら、3面、5面などにいくつかコーナーがありますので、そういったところから見ていただくことがいいかもしれませんね。たとえば、3面には「メタボリック北島の相場指南」といったコーナーがあります。社内で “メタボ北島”と呼ばれている体重111㎏の巨漢の記者がいるのですが、新興市場に強く、読者からの人気もすごく高いコーナーです。先日、彼の手形プレゼントなんて、冗談半分の企画をしてみたのですが、フタを開けてみると、こちらが思いもしなかったほどの応募が殺到して、みんなで驚きました。他紙では、まずこんな企画はしないでしょうね(笑)。それ以外では、ありそうでなかった企画とでもいうのでしょうか、実際にデイトレを行っている人に書いてもらっている「正太のデイトレ日誌」も好評です。このコーナーは、証券会社から脱サラしてデイトレーダーになった人に直接お願いして、書いてもらっています。記事の内容は、実際に彼が売買したものを中心に、これから狙いたい銘柄などについても書かれています。デイトレの手法だけでなく株式投資のイロハにも触れています。こうしたコーナーは初心者には比較的とっつきやすいでしょうね。

 

 

川井: あとは座談会ですね。これはウチの記者のものだけでなく、「兜町オフレコ座談会」として大手の証券会社の株式担当者やエコノミスト、投資顧問の運用担当者などに参加してもらって、文字通りオフレコの情報について語ってもらっています。こうしたものも、はじめは興味本位に見ていただくだけでも、面白いかもしれませんね。あとは業界の動向をまとめた「クローズアップ」というコーナーなども、マーケットの動きをつかむうえでは、きっと役立つと思います。
和田: また、業界紙ですから、読者の方からは、当然お薦め銘柄に対する情報を求められるわけです。市場全体が上げ相場のときは、ある意味でラクなんです。上がる銘柄はいくらでも見つけられますから。でも現在みたいに、日経平均が低いときは、難しい(取材日:2008年2月29日)。とはいえ、日経平均とはべつに上がる銘柄も確実にあるわけです。それをどう見つけられるか。それはものすごいプレッシャーです(笑)。ウチとしては、株価が高いところでは薦めることはありません。高くなる材料があるところは、ウチが薦めなくても上がりますしね。そうではなく、「ウチが書いて上がった」というふうになりそうな銘柄を見つけたい。だからウチは安いところを薦めているんです。もちろん、いろんな指標を見て、割安であると判断して、裏を取って、「いけるな」という見極めをしていますよ。インターネットをはじめとして、いろんな株情報が氾濫していますが、長年市場を見てきているという実績と、ベテラン記者たちのカンは、初心者の方々だからこそ、信頼できる情報として有効活用してもらいたいと思いますね。

『株式市場新聞』って、どんなふうにつくっているんですか?

和田: 1日の動きを大雑把にご説明すると、メンバーが集まるのが、大体8時過ぎですね。その段階では、ほとんどの人が日経新聞には目をとおしていますし、前日のニューヨークの状況も把握していますから、「おはよう」というあいさつとともに、「今日は高くなるね」とか「安くなるね」といった言葉もまた、あいさつ代わりになっています。「場」(ここでは「株式取引」のこと)が始まるのが9時から。11時までは、その「場」を電話などで情報収集します。ですから、この時間帯は、ほとんどの人間は社内にいますね。前場を見れば、おおよそ後場の動きは読めますから(前場:午前中の取引 後場:午後の取引)、午後は次の準備です。取材に出る人もいますし、引き続き社内で情報収集する人もいます。原稿は15時15分に締め切り。それまでに順次記事を書き上げ、割り付けをし、チェックをします。16時には輪転機が回り出して、17時には、都内の駅周辺の販売店に出るというのが、おおよその1日の動き。翌朝には毎日新聞の販売店から個別配達がされています。一般紙とはサイクルもスピードも違います。これを50年以上、毎日続けているわけです。

 

 

 

株初心者の方々にメッセージをお願いします。

和田: 何度も申し上げているように、我々は、株の専門紙を50年以上も発行し続けています。ここに集まる情報の信頼性、精度についてご理解いただきたいということ。そしてその一方で、株だけではない、広い視野でマーケットや銘柄を見ることにも注力しています。ですから、政治や文化、国際問題、世間の関心など、株という狭い視野で編集するのではなく、いろんな角度から物事を見て、記事としてまとめているということも、あわせてご理解いただきたい点ですね。

 

川井: たとえば、私たちは「環境」と「食料」ということを、今年(2008年)のテーマにしようと、昨年から言っていたのですが、こうしたことも、「今年は洞爺湖サミットがあるから」とか、そういう視点だけで記事をまとめていては、他紙とまったく変わりがないわけです。そんなことは、どんな新聞でも、あるいは証券会社でも言っている。だからこそ、テーマと北京オリンピックと絡めたりとか、アメリカの大統領選とつなげてみたりとか、いかに読者に面白く、興味深く読んでいただけるかという点は、かなり苦労していますし、気を使っているところでもあります。当然、丹念に調べますし。つまり、独自の切り口を持たなければ、『株式市場新聞』としての存在意義がない。そう思っているんです。ウチの新聞は、日経も読むけど、ウチ(株式市場新聞)も読むという方が多い。そういう人たちに、どうアピールできるか。だから記者それぞれの自由な発想というものを大切にしているのです。冒頭で、女性読者が多いというお話をしましたが、女性読者が多いという事実が、親しみやすさということからきているとするなら、新聞でありながら、このような雑誌的視点を持った編集のやり方にも一因があるのかもしれませんね。
まずは手に取って読んでいただきたいと思います。

株の業界紙なんて、その響きだけで、難しそう……なんて感じるのは私だけ?
でも紙面を見てみると、見出しの入れ方なんて、スポーツ新聞みたいで親しみやすいし、単純に「面白そう!」なんて感じます。創刊50年以上続いているということも、すごいことですよね。それを考えると、あきらかに情報の精度の高さを感じますね。和田編集長、井川さん、面白くて、ためになるお話、ありがとうございました!

 
 

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