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今月の特集

サブプライムの影響から世界的金融危機が起こったといわれる2008 年。同時に今は100 年に一度のチャンスとの声もあります。そこで、経済評論家として知られる三原氏と日本で初めての投資信託評価会社を起業した業績を持つ藤沢氏を招いて今、投資するべき企業から、投資家そして今後の日本のあるべき姿までをおうかがいしました。

 
撮影:中田寛也

今回の師匠

経済評論家。1937 年生まれ。九州大学経済学部卒業後、日興證券㈱入社。同社在籍中にノースウエスタン大学に留学、ニューヨーク支店勤務、ロサンゼルス支店長を経て退社。80 年に三原淳雄事務所設立。内外の証券業界に精通する論客として知られ、講演や著作、テレビ出演も多数。東海東京調査センター理事、大阪経済大学大学院客員教授など兼任。

シンクタンク・ソフィアバンク副代表。1996年に日本初の投資信託評価会社を起業。2000年にソフィアバンクの設立に参画。これまでに各種メディアを通じて、600 社を超える企業を取材し、現在もネットラジオ「藤沢久美の社長Talk」で配信中。金融審議会委員、㈳投資信託協会理事、内閣府・総務省・経済産業省の研究会委員など兼任。著作多数。



今がチャンス!借金して投資をする時

―― 世界的金融危機、そして株価下 落に歯止めがかからない状況ですが、 半面、チャンスと思う人も多くいるよ うで、今ネット証券の口座開設申し込 みが急増していると聞きます。にわか 投資家のようなものかもしれませんが、 この状況についてはどのようにお考え ですか?

三原:
(敬称略)
株価が下落して 「買いたい」という気分になるのは大変 うれしいことですが、すぐ売るのであ ればそれは投資とは言えません。投資 なのかトレーディングなのか投機なの かをわかってから始めて欲しい。10年 単位で考えて大きくとれるのが投資家 ですよ。
投資であれば、今ここで、アメリカ の著名投資家で投資会社バークシャ ー・ハサウェイ(BERKSHIRE HATHA WAY)を率いるウォーレン・バフェッ トが10月17日にNewYorkTimes紙 へ寄稿し“Buy American.”(米国株式 を買おう。私はすでに買っている)と 言い出したことをしっかり受け止める べきです。彼も言っていますが、短期 間では収益を減らすかもしれないが、 5年から20年という中長期の目で見れ ば今こそチャンスだということです。
たとえば今年7月に95歳で亡くなっ た天才投資家と称されるジョン・テン プルトンは、1937年に株価が暴落し た時、「2ケタに叩き売られた株を全部 買えばいい、つぶれる時は国がつぶれ る時なんだからと」と言ってひんしゅ くをかっていましたが、あの時株価が 2ケタになった104社のうち、実際に つぶれたのは4社だけでした。
彼は25歳の時に大恐慌に巡り合って、 1ドル以下に叩き売られた株を大借金 して買い集め成功への階段を登ってい った人。だから今みたいな時期こそ大 借金してでも買うべきなのです。だけ ど日本には借金して買うという発想が ない。バブルでやられて借金は悪だと 思っている人が多いのでしょう。借金 しなきゃいけない時期、してもいい時 期、しちゃいけない時期の区別がつか ずに、とにかく借金は「悪」になって いる。
たとえば、リート(不動産投資信託) の市場を見てごらんなさい。つぶれそ うにもないリートの利回りが8%です。 信用力がある人なら、今貸し出したく てしょうがない銀行から借りて買って ごらんなさい。2%ぐらいの利息で8% になるリートであれば、6%はずっと ヘッジされるのだから、12年ぐらいで 元は完済する。だから残った分が丸儲 けになるんですよ。

 

藤沢: だから私は今すごくチャンスだと思うんですよね。

 

三原: そう、10年単位で考えるとね。

 

―― 「もしかして今がチャンスなので は?」という思いが多くの人によぎっ ているかと思いますが、といっても投 資のセンスやモノサシを持っている人 は少ないと思います。藤沢さんはネッ トラジオ「藤沢久美の社長Talk」で多 くの社長さんにお会いになっておられ ます。投資を考える時の考え方の一つ にある社長という軸から見えるヒント はありますか?

 

藤沢: 「今がチャンス」である理由は3 つあって、1つめは株価がものすごく 安いこと。実体価値以下になっていま すから……。2つめは、今、企業は裸 になっている時だということ。これま でのように粉飾をして着飾ることがで きなくなった企業の本当の姿が見えて きます。
3つめは、世界の秩序が新しく変わ ろうとしている時だということ。世界 の中心はアメリカではなくなり、IT(イ ンフォメーションテクノロジー)、FT (フィナンシャルテクノロジー)、それ からET(環境テクノロジー)が出てき て、今までの常識では考えられないイ ンフラや常識を生み、今後10年、20 年という期間で世界のベースになるよ うな企業やビジネスが出てくると思い ます。
だからこの3つの理由で、長期的な 目でまさにバフェットのようなことを しようと思うなら、「絶対今ですよ」と いうくらいの思いがあります。そして そこには2つの見方があって、一つは そういった新しい価値観やインフラを 提供するようなビジネスは何だろうと いう視点で企業を探すこと。もう一つ は、そういうビジネスもしくは古くか らある企業でもいいのですが、それを 引っ張り新しいものを生み出し続けて くれるリーダーは誰だろうという視点 で社長を見るということです。

 

 

―― 今は哲学を持った経営者が再確認できる時だというわけですね。

 

藤沢: はい。こういう時は哲学を持っ て芯の通ったことが言える社長という のを一番確認しやすい時だと思います。 それから最近の若者の傾向として、お 金があまりモチベーションにならなく なっている点からも、この会社は社会 的に意味があるのかとか、そういう心 の満足も含めてビジョンを語り、具体 的戦略を出せる社長というのを見てい くことも大事だと思います。

 

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